【速報】 Kitchen 313 Kamiyuge インスタライブ最新動画 #947
信号機のない島に大行列。しまなみ海道の先、世界が注目する「幻のベーグル店」が変えた離島の日常
kitchen 313 kamiyugeは、瀬戸内海に浮かぶ愛媛県上島町の弓削島(ゆげしま)にある、知る人ぞ知る古民家ベーグルショップだ。2026年現在、観光地化されすぎた都市部を離れ、本物のローカル体験を求める旅行者たちが、この人口わずか数千人の島に押し寄せている。彼らのお目当ては、週に数日だけオープンするこの店が焼き上げる、驚くほどもっちりとした食感のベーグルだ。
かつて塩の荘園として栄えた歴史を持つ弓削島の、細い路地をすり抜けた先にその店はある。地元産の柑橘やこだわりの小麦を使い、一枚一枚丁寧に手作りされるメニューは、訪れる人々に島ならではの豊かな時間を提供している。SNSの普及によって情報が瞬時に拡散する現代において、あえてアクセスが不便なkitchen 313 kamiyugeを目指す旅人が後を絶たないのは、そこに単なる「美味しいパン」以上の価値があるからに他ならない。
瀬戸内の離島で起きている「静かな食の革命」
しまなみ海道からさらに船を乗り継ぐか、あるいは橋を渡って辿り着く上島町。ここには、都会のような派手なアトラクションは何もない。しかし、静かな波の音と、柑橘類の甘い香りが漂うこの島が、今や食通たちの聖地となっている。その中心にいるのが、この小さなベーグル店だ。
「ただのブームだと思っていました」と語るのは、東京から移住してきた30代の女性だ。「でも、一口食べた瞬間に、島全体の自然が口の中に広がるような感覚を覚えたんです。それ以来、毎週のように通っています」。彼女のように、この店の味に魅了され、島に移住を決める若者も少なくないという。
築100年の古民家が紡ぐ、人と地域を結ぶ場所
店舗として使われているのは、明治時代に建てられた築100年を超える古民家だ。太い梁や黒ずんだ柱が、この場所が重ねてきた歴史の重みを静かに物語っている。暖簾をくぐると、焼き立ての香ばしい香りが鼻腔をくすぐり、どこか懐かしい気持ちにさせられる。
オーナーは、この場所を単なる飲食店ではなく、地域住民と旅人が交差する「コミュニティのハブ」として位置づけている。縁側に腰掛け、店主や常連客と他愛のない会話を交わす。そんな何気ない時間が、デジタルデバイスに囲まれた現代人の心を解きほぐしていく。
完売必至のベーグルに込められた「島の記憶」
看板メニューであるベーグルは、外側はパリッと香ばしく、中は驚くほどもっちりとした弾力がある。その秘密は、厳選された国産小麦と、島で採れる新鮮な食材との組み合わせにある。季節ごとに登場する、地元産のレモンや八朔(はっさく)を使ったフレーバーは、午前中に完売してしまうことも珍しくない。
「私たちは、パンを通じて弓削島の風土を伝えたいんです」とスタッフは話す。島の農家が手塩にかけて育てた果物を適正な価格で仕入れ、最高の形で商品にする。この循環こそが、持続可能な離島ビジネスのモデルケースとして、全国の自治体からも注目を集める理由だ。
2026年、オーバーツーリズムの対極にある「スロートラベル」の目的地
世界中で観光公害が問題視される中、旅行のあり方は大きく変わりつつある。有名観光地を駆け足で巡る旅から、一つの場所に深く滞在し、その土地の日常に溶け込む「スロートラベル」へのシフトだ。弓削島はその象徴的なデスティネーションと言える。
ここには大型ホテルも、夜遅くまで営業するコンビニもない。しかし、だからこそ得られる贅沢がある。焼き立てのベーグルを片手に、穏やかな瀬戸内海を眺めながら過ごす時間は、何ものにも代えがたい。旅の本質とは何かを、この店は私たちに問いかけているようだ。
なぜ私たちは今、弓削島を目指すのか?
インターネットで何でも手に入る時代だからこそ、私たちは「そこにしか存在しない体験」を渇望している。クリック一つで翌日には商品が届く便利さの対極に、わざわざ船に乗って、細い路地を迷いながら辿り着くベーグル店がある。その不便さこそが、旅のスパイスなのだ。
実際に訪れてみると、行列に並ぶ時間すら愛おしく感じられるから不思議だ。風の音を聞き、近所のお年寄りが通り過ぎるのを眺める。効率主義に疲れた現代人が求めているのは、こうした「無駄」の中に隠された豊かな時間なのかもしれない。
旅人をもてなす「313」という数字の秘密
店名にある「313」という数字。これは、この古民家が建つ場所の番地に由来している。シンプルでありながら、この土地にしっかりと根を下ろして生きていくという、オーナーの強い決意が込められた数字だ。
島を訪れたなら、ぜひ少しだけ足を止めて、この空間が持つ空気感を感じてほしい。ただ美味しいものを食べるだけでなく、その背景にあるストーリーや、人々の想いに触れること。それこそが、旅をより深く、忘れられないものにする唯一の方法なのだから。 (出典: kitchen 313 kamiyuge(Yahoo!ニュース))